手湿疹(手荒れ・主婦湿疹)

手湿疹(手荒れ・主婦湿疹)

湿疹手のひら・手指・手首に、ジクジク、水疱、赤み、かゆみ、ひび割れなどの症状が起こる状態を総じて「手荒れ」と呼んでいます。「手荒れ・主婦湿疹」とも呼ばれており、お仕事(介護・医療・飲食・美容院など)や家事で頻繁に手を洗う方や、洗剤をたくさん使用される方の発症が多いです。
アルコール消毒では手の水分も蒸発してしまうため、手が乾燥してしまい、消毒の頻度が多いと手荒れの原因となります。
また、手荒れした箇所にアルコールをつけると余計に手湿疹が悪化してしまうことにもなりかねません。そして、手荒れが重症化して傷が生じると、細菌感染のリスクも高まります。
保湿剤を用いた保湿が重要であり、症状がある範囲にはステロイド外用が必要です。
また、手荒れに見えるような症状でもカンジダや水虫の恐れもあり、顕微鏡観察で真菌の有無をチェックすることもあります。

このような症状を繰り返していませんか?

1 水疱ができる

手のひらや指の横に複数の微細な水疱が生じるようになり、次第に数が増加します。

2 搔き壊す・ジクジクする

耐えられずに患部を掻きむしって水疱を壊してしまうと、ジクジクした状態になります。

3 乾燥・ひび割れが起こる

水疱の乾燥によってアカギレのような状態となり、場合によってはひび割れが起こります。

4 皮剥けが起きてゴワゴワする

手がゴワついて皮が剥けるようになり、新しい水疱が生じることもあります。

原因

手の皮膚の表層は他の場所と比べて角質が分厚いため、多様な外部刺激から手を保護する役割を担っています。しかし、化学物質への接触で刺激に過敏になる、アレルギー物質と接触する、洗剤や水によって皮膚表層の皮脂や水分が不足する、物理摩擦が頻発するなどが手湿疹の原因になると考えられています。
また、体質的に皮膚の保護機能が低下している乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方は、手湿疹が起こりやすいとされています。

治療

乾燥を改善するために保湿剤を塗布します。
重度の痛みやかゆみが生じている場合は、ステロイド外用薬を処方しますが、手のひらや手の甲は、他の場所よりも皮膚が分厚くなっているため、皮膚の状態をしっかりと確認した上でステロイド剤の使用を検討します。
炊事洗濯などで頻繁に手洗いをしている方は、ステロイド剤や保湿剤も洗い流してしまいますので、定期的に塗り直すようお願いいたします。

手白癬

以前から足白癬がある方、手荒れが起こっているのが片側のみの方、高齢者の方については、手白癬の疑いがあります。顕微鏡検査によって診断しますが、治療でステロイド外用薬を使うと症状が悪化することがあるため注意が必要です。

汗疱

汗疱(かんぽう)は、足の裏や手のひらに生じるあせもです。自覚症状はほとんどなく、軽症のケースでは専門的な治療を行わなくても2〜3週間で快方に向かいます。
一般的に痛みやかゆみが生じることは稀ですが、赤みが生じた部分に軽い痛みやかゆみが生じるケースがあります。
汗疱は、よく汗をかく場所(例:足の裏、手のひら、手足の指の横、指の間など)に生じる傾向にあります。
また、汗疱の水ぶくれを壊してしまうと汗疱状湿疹に繋がり、水ぶくれの皮膚がめくれあがって炎症が起きてしまいます。
なお、汗疱が湿疹になるメカニズムは詳しく分かっておらず、何かしらの原因で汗管が閉塞し、溜まった汗が原因でアレルギー反応が起こるのではと推測されています。

原因

皮膚内に汗が溜まることによって引き起こされます。汗腺の深部で汗は生成され、汗管という長細い管から皮膚の外に排出されます。
汗管が何かしらの要因で閉塞すること、寒暖差で急激に汗が引くこと、子どものように汗管が細いこと、急激に大量の汗をかくことなどによって、本来は皮膚の外に排出されるべき汗が皮膚内に留まり、汗疱を引き起こすと考えられています。
その他、感染症や金属アレルギーによる影響も推測されますが、主要な原因は汗が詰まることだと言われています。

治療

かゆみが生じていなければ経過観察だけで済むこともありますが、かゆみがある場合はステロイド外用薬を処方します。また、皮膚がふやけると汗を排出しやすくなりますので、予防のために尿素系外用剤などを使用することもあります。

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